トリインフルエンザ Q&A

ここで紹介するQ&Aは、National Chicken Council 及び National Turkey Federationが、消費者のトリインフルエンザに対する疑問に応えるために、作成したものです。一部を抜粋、翻訳して紹介します。

1. トリインフルエンザとはどういうものですか?

トリインフルエンザとは、家禽類が罹患するインフルエンザの通称で、ウィルスによって引き起こされる呼吸器疾患です。

2. トリインフルエンザの症状は、どんなものですか?

トリインフルエンザには、いくつかの型(タイプ)があります。症状の軽い型は、世界各地でしばしば発生し、低病原性トリインフルエンザ(LPAI)として知られています。より重い症状を示す型は、高病原性トリインフルエンザ(HPAI)として知られ、家禽類に対しより激しい症状を起こすことから、感染した家禽群は、高い致死率を示します。現在東南アジアで猛威を振るっているHPAIは、H5N1トリインフルエンザです。H5N1という呼び方は、病気を引き起こすウィルスの表面のたん白質の配列のことを指しています。

3. H5N1高病原性トリインフルエンザは、人間に感染しますか?

残念ながら感染します。東南アジア(特にベトナムとタイ)では、ごく少数の人々に感染したトリインフルエンザウィルスが体内で人間に感染するインフルエンザに変異しました。感染したほぼ全ての人たちが、ウィルスに感染していた生きた家禽と密な接触をしていました。

4. H5N1高病原性トリインフルエンザは、どのように人間に感染するのですか?

インフルエンザウィルスは、主に呼吸器の中で生存し、湿気を通じて拡散します。しかし未確認の例外的事例ですが、H5N1高病原性トリインフルエンザは、ウィルスに感染した生きた家禽との密な接触により人間に感染した、と一般に考えられています。

5. ウィルスに感染した生きた家禽と接触している人は、どんなことをしている人ですか?

東南アジアの鶏、鴨などの家禽類は、しばしば人間が住んでいる農村地域で、放し飼いで飼われています。農民やその家族は、卵や肉を得るために、鶏や鴨の世話をします。タイやベトナムで見られた人間への感染例は、ほとんど全てがこれら『小規模養鶏』と関連しています。

6. H5N1項病原性トリインフルエンザは、人間から人間へ感染しますか?

人間が感染者と非常に濃密な接触があった場合、H5N1高病原性トリインフルエンザに感染する可能性はあります。しかし科学者の間では、H5N1インフルエンザウィルスは、人間から人間へ感染する能力を持つには至っておらず、人間から人間への感染は、極めてまれなケースであると考えられています。

7. どのようにすれば人間から人間への感染を、防げますか?

H5N1高病原性トリインフルエンザウィルスに感染した人を看護する人は、衛生的な予防措置を実践する必要があります。より広範なレベルでの防護措置においては、ウィルスが変異し、進化する機会を奪う事が重要です。これには、発生後直ちにトリインフルエンザを鎮圧することが必要です。タイとベトナムは、H5N1高病原性トリインフルエンザに感染した家禽群の殺処分に努めました。しかし専門家からは、これらの国々はトリインフルエンザの発生に繋がる放し飼い飼育を抑制する措置をとるべきとの意見が出ています。

8. チキンやターキーなどの家禽製品を食べることでトリインフルエンザに感染することはありますか?

適切に調理をすれば、家禽製品から感染する危険はありません。トリインフルエンザは、ウィルスによって引き起こされるものです。全てのウィルスと同様、トリインフルエンザウィルスも加熱調理によって死滅します。

9. ウィルスに感染したチキンやターキーの肉は、どう取り扱えばいいのでしょうか?

アメリカでは、トリインフルエンザに感染した、もしくはその疑いのあるチキンやターキーは、市販の生肉用に加工されることはありません。生の家禽肉を扱った後で手を良く洗うことは、常に予防措置として良いのですが、アメリカの消費者は、実際感染した家禽肉に遭遇することはありません。もっと重要なことは、アジアで発生しているH5N1高病原性トリインフルエンザは、アメリカで発生しておらず、またアメリカは発生国から輸入もしていないことです。

10. トリインフルエンザは、全て危険なタイプのインフルエンザですか?

H5ウィルスとH7ウィルスだけが、低病原性から高病原性に変異する可能性があるタイプですので、これらのウィルスには多大な注意が払われています。2-3の特定のウィルスだけが、人間に感染する現象を示しますが、これらは滅多に起こりません。世界で起きた人間への感染例のほとんどが、アジアのH5N1かオランダのH7N7ウィルスによるものです。またいくつかのトリインフルエンザは、外見からでは症状が分からないほど症状が軽いものもあり、それらの存在を確認するためには、血清検査が必要になります。

11. 高病原性トリインフルエンザは、アメリカで発生した事がありますか?

アメリカにおいては、過去においても現在においてもアジアで発生しているH5N1高病原性トリインフルエンザは発生したことがありません。しかし2004年まで低病原性のトリインフルエンザが発生していました。ある家禽群において発生したH5N2は、一度研究所のテストで高病原性を示しましたが、より精度の高い検査では、高病原性であることを確認できませんでした。1983年と1984年のペンシルバニア州で発生したH5N2高病原性インフルエンザウィルス(H5N1ではありません)が、アメリカでの高病原性トリインフルエンザの最後の発生事例です。その発生による人間への感染や発症はありませんでした。

12. アメリカでトリインフルエンザが発生した場合、どのような事が起きるのでしょうか?

アメリカの家禽業界と政府の方針は、H5もしくはH7トリインフルエンザが見つかった家禽群を、できる限り迅速に殺処分することにより、ウィルスを根絶するというものです。これらは全て確実に処分され、環境面に配慮した適切な方法で廃棄されます。

13. 感染した家禽群は何故、全羽殺処分する必要があるのですか?

全ての生物と同じように、ウィルスも変化と進化を続けています。毒性の弱いインフルエンザを引き起こすウィルスが、より毒性の強いタイプに化ける可能性があるのです。毒性の弱い型が毒性の強い型に変異した、1983年と1984年にペンシルバニア州で起きたケースは、まさにこの例でした。家禽群は、ウィルスが変異し、拡散するのを防ぐために、殺処分されるのです。

14. トリインフルエンザが発生したとき、人々を守るためにどんな措置が執られるのでしょうか?

感染した家禽群を処分する任務に当たる人は、手袋をはめ、マスクをし、防護服を着用します。呼吸器疾患の傾向が顕れた人は、医師に報告され、検査を受けます。トリインフルエンザが発生した農場と無関係の人は、発生農場から退去させられます。

15. 健康な家禽を守り、トリインフルエンザの拡散を防ぐためにどんな事がされていますか?

アメリカのパッカーや農家は、常に厳しいバイオセキュリティプログラムを実施しており、トリインフルエンザが発生している間は、その重要性が更に増します。飼料を運搬するトラックは水洗いされ、出入りする人は防護服とプラスティックのブーツを着用し、消毒液入り洗い桶でブーツを洗浄します。農家の人たちは地域の集まりからは距離を置き、トリインフルエンザが終息するまで、農場を立ち入り禁止にします。近年バージニア州・デラウェア州及びテキサス州で行われたトリインフルエンザ撲滅対策は、規模と厳格さにおいて、軍事作戦さながらでした。

16. H5N1高病原性トリインフルエンザのアメリカへの侵入を阻止するために、どのような施策がとられているのでしょうか?

アメリカは、H5N1高病原性トリインフルエンザに対抗するために何重にも防御策をとっています。
生きた家禽対策:
高病原性トリインフルエンザが猛威を奮っている地域から生きた家禽及び家禽製品の輸入は、禁止されるかアメリカ政府の厳重な管理下に置かれるかのどちらかの対応がとられます。
家禽製品対策:
東南アジアの高病原性トリインフルエンザ発生地域から家禽製品がアメリカに対して輸出されることはありません。(実際、アメリカで売られているチキン・ターキーは全てアメリカ産です。アメリカは、世界屈指の家禽輸出国であって、輸入はほとんどしておりません。
人からの感染対策:
H5N1高病原性トリインフルエンザウィルスは、人から人への感染能力を獲得していません。しかしもし仮にそうなれば、公衆衛生緊急事態宣言の発令が検討され、その後適切な措置が執られます。その中には発生地域への渡航制限も含まれることでしょう。感染した人間によって東南アジアからアメリカにH5N1高病原性トリインフルエンザが侵入する可能性はあります。しかし東南アジアに渡航歴がある人は、アメリカの家禽農場への立ち入りを禁止されています。加えてブッシュ大統領は予防措置として、このタイプのトリインフルエンザを、入国前に一定期間、隔離する必要がある伝染病のリストに加えました。

17. アメリカ国内においては、適切な管理政策がとられているのでしょうか?

アジア地域で発生したH5N1高病原性トリインフルエンザは、重大な関心を集めています。しかしアメリカ国内では、これ以外の型のトリインフルエンザが存在し、長い間家禽業界は脅威と捉えています。アメリカ議会は、アメリカ農務省が長い間アメリカ国内に存在しているトリインフルエンザを抑制するプログラムを始めるに当たり、2,300万ドルの予算を計上しました。ブッシュ政権は、2006年度もその予算規模を維持するよう議会に求めています。

18. アメリカで行われている集約的な家禽飼育方法が、トリインフルエンザの蔓延を助長している、ということは事実ですか?

アメリカ国内で採用されている近代的な家禽生産方法は、実際には伝統的な家禽飼育に比べ、家禽と家禽の健康を守っています。アメリカでは、鶏やターキーは通常、Growout Houseと呼ばれる、柵に囲まれた建物内で育てられます。1棟には、20,000羽以上の鶏または4,000羽以上のターキーが飼育されています。中にいる家禽群の健康管理は、以前に比べて進歩しています。というのも飼育環境が改善し、病気への抵抗力をつけるための飼料を給餌し、野鳥など家禽病ウィルスの宿主から隔絶し、家畜衛生の専門家による持続的な観察を行っているからです。それとは対照的に、東南アジアの『小規模養鶏』は、何百年もほとんど変らない伝統的なやり方で飼育をしています。鶏たちは、外部環境とウィルスの宿主(野鳥)に対して無防備なだけでなく、家畜衛生の専門家による検査も最小限か、全く行われていないのです。

関連サイトへのリンク

NCC National Chicken Council

NTF National Turkey Federation