USAPEEC PRESS 2008年5月号

A Special Report from Dr. Renan Zhuang

今後10年間は生産量、輸出量ともに増加傾向へ

2008年ブロイラー生産量は増加へ

米国農務省(USDA)が発行した最新の‘Livestock, Dairy, and Poultry Outlook’(ライブストック・デイリー&ポートリー・アウトルック)によると、米国のブロイラー産業は、とくに飼料と燃料コストの上昇により生産コストの値上げは避けられないとしているが、2008年のブロイラー生産量は前年から3%増の370億ポンドと予想している。またUSDAは米国のターキー生産量も、安定した家禽肉輸出量の増加にともない、同じく3%の増加を見込んでいる。
ブロイラー生産量の増加には次の3つの要因がある。
1.処理羽数の増加
2007年の第4四半期のブロイラーの生産量は92億5千ポンドで、前年同月比5.1%増でブロイラーの処理羽数は3.1%増加した。
2.平均処理重量(生鳥ベース)の増加
2007年の第4四半期の平均処理重量(生鳥ベース)は1.6%増の5.61ポンドだった。
3.一羽あたりの歩留まりの増加
2007年の第4四半期の一羽あたりの歩留まりは2%増加した。

2008年度ブロイラーの価格予想

2007年度第4四半期のブロイラーの生産量が増え在庫も潤沢にあるにもかかわらず、価格にはまだ反映されていない。 1月の北東部市場での骨なし/皮なしの胸肉1ポンド当たりの平均価格は$1.28で前年比の1%増であった。2007年12月よりも1ポンド当たり5セント上昇した。レッグクォーターの価格は2007年1月の1ポンド当たり34セントから、2008年1月には42セントに上昇した。ブロイラー生産量の増加が見込まれることで、価格は年内のうちに除々に下落していくと予想されるとアウトルック・レポートでは伝えている。

●第1四半期の価格

東部市場1月の丸どりの平均卸売価格は、2006年同月比7.3%増、2007年同月比9%増の1ポンドあたり74セント台と報告された。2008年2月の週価格から推定すると、丸どりの価格は今後も上昇を続けていくと思われる。2007年の第1四半期と比べ1ポンド当たり70セント台から、2008年第1四半期は、1ポンド当たり74セント〜76セントと見込まれる。

ターキー生産量の増加

2008年度ターキーの総生産量は前年比2.6%増の60億9千万ポンドだった。これはホールターキーや加工品が最高値で推移し販売が好調であったことが後押ししている。しかしながら、2008年にターキー生産者も飼料と燃料コストの上昇に直面するため、ターキーが高値であっても収益率は低いと推定される。

今後10年間米国とブラジルの輸出量は増加傾向へ

2008年2月に発行されたUSDAの'Agricultural Baseline Projection'(アグリカルチュラル・ベースライン・プロジェクション)によると、今後10年の米国産家禽肉の輸出は着々に増加していくものの、今までよりも遅いペースになると予測されている。
中国、ロシア、メキシコといった主要マーケットでは、経済成長に加え、レッドミートよりも安い家禽肉の需要はさらに高まると見込まれる。2008年度の家禽肉輸出は前年比2.5%増の61億7千ポンドと予想されている。2017年には米国の輸出量は68億8千ポンドに達するか、または今後10年間で年平均およそ1.3%増加すると予想される。
米国家禽生産業者は今後も主要輸出国、とりわけブラジルと競い合っていくことになるだろう。2008年ブラジルの家禽肉輸出は2007年度比7%増の72億3千ポンドと予測される。2017年のブラジルの輸出は89億2千ポンドに達し、今後10年間の年平均増加率はおよそ3%で、これは米国の輸出よりも明らかに早いペースである。

2006-2017年  U.S.産ブロイラー&ターキーの輸出量

Renan Zhuang 博士(Dr. レナン・ジャン)

USAPEECエコノミスト・ディレクター

Renan Zhuang 博士(Dr. レナン・ジャン)

北京の中華人民共和国農業部から米国大使館でのUSDA海外農務局、ワシントンD.C.での中国大使館の農務部で勤務の後、ノースダコタ州立大学でのアグリビジネス及び応用経済学の助教授を経て、2007年10月よりUSAPEECの経済分析ディレクターに就任。

1984年 福建省農業大学 農学部卒業
1993年 中華人民共和国農業部
     米国大使館農務部海外農務局勤務
1994年 ワシントンD.C.中国大使館勤務
1999年 ケンタッキー州Murray State大学
     アグリビジネス修士課程修了
2005年 Perdue大学農業経済学
     博士課程修了